1997年に大泉井頭公園は、練馬区の努力により親水化工事がされ、川に降りられるスロープ・階段が設けられました。
工事の影響で水生植物は長い間見あたらず、黒い川底が見られるだけの殺風景な状態でした。
が、たゆまぬ湧水の流入により、そこにどこからか種が飛んできたのでしょうか、
護岸の水抜きパイプ辺りから、初めにオランダガラシが芽吹き始め、群落を作り始めました。
同じくして、ジュズダマソウやイグサの仲間も活着しました。
その1〜2年後、同じ所からオオフサモが姿を現しました。
オオフサモは、よほどこの環境が気に入ったのか、見る見る勢力を拡大し、現在にいたるまで、このエリアでの優占種です。
オランダガラシと競合しているときの写真があります。
現在は、在来種であるカンガレイが、徐々に株の数を増やしつつあり、オオフサモの群落の中で足場を築きつつある状態です。
私たちは、オオフサモについては、長い間むやみに駆除はしませんでした。
オオフサモも水中にたくさんの根を伸ばし、水中動物の世代交代のための貴重なスペースを提供してくれたに違いありません。
ギンブナもモツゴもホトケドジョウもアメリカザリガニも、このスペースで世代交代の年月を過ごせたのです。
しかし、そうは言っても、そのはびこり方は他の植物より速いこと、冬枯れしたものがヘドロ化して泥沼に環境を変えてしまうことを考慮し、一部を刈り取って間引きすることにしました。
オオフサモは本来は南米アマゾンが原産の外来種です。牧野富太郎が1922年に始めて発見の報告をしています。同時代に観賞用として移入されたようです。
現在、環境省の「特定外来生物」に指定されましたが、カンガレイ他の在来種の今後の様子も見守りつつ対応を検討していきたいと思います。
ほかにも外来植物として、オランダガラシ、ミズヒマワリなども多く見られます。
オオフサモについては次のページも参考にお読みください。