湧水と白子川の今後

湧水と白子川の今後

1964年の東京オリンピック頃から、流域一帯の急速な都市化が始まりました。
下水道の整備が追いつかず生活排水が川に流し込まれ、一時白子川の水質は、全国ワーストワンになってしまったこともありました。

その後の下水道(合流式下水道=雨水も生活排水も下水処理場に集められる)の普及で、生活排水の川への流入が無くなり、
きれいな川に戻りましたが、今度は建物や道路に降る雨も下水道に行ってしまい、
川に入ることが少なくなったため、普段の川は、沿川の湧水だけが流れこむ川になってしまいました。

その湧水も、建物や道路が増えたため、雨が地面に染みこむ面積が大幅に減って先細りしているようです。
火の橋の下で、流水量=その上流での湧水量を測定しています。今後もデータを積み上げて、推移を把握したいと思います。

このままでは、源流から始まっている「湧水が涸れてしまう現象」が、徐々に下流に及んでいくことが予想されます。
湧水が湧き続き、川底が、もともとの「凝灰質粘土」や「砂礫質土」の状態ならば、水草が繁茂できます。
そこは昆虫、鳥、水生動物が世代交代を続ける場ともなります。

こうして、都市ではまれな「地域のビオトープ」(人の手で保護された、生態系が保たれている空間)として存続していけるでしょう。

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